プラズマローゲンの新しい一面が見つかる
2016年、九州大学で第1回目となるプラズマローゲンシンポジウムが行われました。ここで発表されたニュースは世界中を驚かせました。
それは、「プラズマローゲンが神経細胞を新生させる」というものでした。
実験では健康なマウスを使用。脳の中で学習・記憶に重要な役割を果たしている、海馬の歯状回という部分を観察しました。正常なマウスの歯状回は、線状になった濃い茶色の部分に神経細胞が詰まっています。一方、炎症刺激を与えたマウスの歯状回は、神経が新生しないため、衰えて薄くなっています。この炎症刺激マウスにプラズマローゲンを一定期間投与すると、神経細胞が新しく生まれ、正常なマウスとほぼ同じ状態にまで回復したのです。
プラズマローゲンの効果を総まとめ
- 脳の神経細胞を新生
- アミロイドβタンパク質の蓄積を抑制
- 学習・記憶・認知機能の向上
プラズマローゲンは、BDNF(脳由来神経栄養因子)の働きを活発化させ、脳の細胞新生を促します。新しい細胞をどんどん作ってくれるのです。今まではアミロイドβの蓄積によって細胞が傷つけられることばかり心配していました。一度死滅した細胞を復活させる方法も模索し、行き詰っていました。
これが、プラズマローゲンの働きによって大転換したのです。今後、プラズマローゲンによって新しい認知症治療の道が切り開かれるに違いないと、期待を込めて世界中の人が研究の行方を見守っています。
健康補助食品としての応用
プラズマローゲンは認知症の治療に使われる医薬品としてはまだ認められていないため、現在は健康補助食品として、さまざまなバリエーションの商品が開発されています。
サプリメント(錠剤、ソフトカプセルなど)が市販されており、1日に1錠ないし2~3錠(用法、用量はメーカーの推奨に従いましょう)を服用するとよいようです。目安は、プラズマローゲンとして1日は100mg程度。なお、一般的にサプリメントは効果が実感できるまでに1~2か月かかることが多いことをお忘れなく。また、全ての人に効果が保証されている訳ではないので、心配な場合は医師によく相談の上、使用するとよいでしょう。