プラズマローゲンはどうやって作る?

プラズマローゲンはリン脂質の一種

私たちの体の内で、様々な情報伝達に関わっている重要な物質のひとつが「リン脂質」です。リン脂質が不足すると、細胞が正常に働かなくなり、血管にコレステロールがたまっていき、動脈硬化や糖尿病などを引き起こす原因にもなります。

 

さて、リン脂質にはスフィンゴリン脂質とグリセロリン脂質があります。

そしてグリセロリン脂質はジアシルグリセロリン脂質とエーテル型グリセロリン脂質に分けられます。

このエーテルグリセロリン脂質の中にプラズマローゲンとプエタノールアミン脂質とコリン脂質の三つが分類されています。

 

プラズマローゲンは私たちの体の中にある

プラズマローゲンは、人間だけでなく、動物、魚介類などの体内に存在する自然物質で、脳細胞の根源的な働きをコントロールしているといわれています。人間では、リン脂質のおよそ18%がプラズマローゲンで、脳や心臓、精巣に多く含まれています。

 

アルツハイマーの患者さんはプラズマローゲンが足りない

欠けている

1990年代のアメリカで、アルツハイマー病で亡くなった患者さんの脳を解剖して調べる研究が行われました。その結果、患者さんの脳はプラズマローゲンが減少していたことが分かりました。その後、カナダや日本でも研究が進み、生存中のアルツハイマー患者さんの血液(血清)を調べてみると、健康な方に比較して、やはりプラズマローゲンが減少している事が分かりました。

これらの研究によって、プラズマローゲンがアルツハイマー型認知症と強い相関関係があることがはっきりと確認されていました。

 

プラズマローゲンをどうやって作るのか?

でも、長い間、プラズマローゲンの研究はなかなか進みませんでした。その理由は、プラズマローゲンの検出には膨大な手間と費用がかかるから。そして、プラズマローゲンの抽出・精製が難しく、動物実験や臨床試験を行えるだけの量を作り出す技術がなかったからです。

日本ではじめてプラズマローゲンの抽出法が確立されたのは2007年のことです。

 

鶏の胸肉から抽出・精製

プラズマローゲンは動物の体内に自然に存在する成分です。色々な動物から抽出する実験を重ねた結果、鶏の胸肉から抽出し、精製する方法にたどり着きました。世界中どこでも手に入り、比較的安価であるため、一気にプラズマローゲンの研究が進むことになりました。

現在は、ホタテやホヤといった魚介類から高純度のプラズマローゲンが抽出・精製され、安全が確認された健康補助食品(サプリメント)として幅広く使用されるようになっています。

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