アルツハイマー型認知症に治療薬はない?

皆さんは、老化というと、どんなことを想像しますか?

お肌のシミ、シワ、たるみ。髪の抜け毛、白髪。目や肩、腰の痛み。物忘れ。老眼。

年齢とともに、体のあちこちが思うように動かなくなってくるのは、避けようがありません。

 

目には見えないけれど、脳も年齢とともに錆びついて動きが鈍くなります。そして、脳そのものも少しずつ萎縮し小さくなっていきます。正確に言うと、灰白質の神経細胞の数が減っていくのです。神経細胞が減ると、物事を記憶する、認知する、学習するというような、情報を処理する能力が減退します。これが認知症です。

 

認知症といっても、いろいろな種類があるのを知っていますか?特に多いのはアルツハイマー型認知症で、約50%を占めます。他には脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など。

 

アルツハイマー型認知症は誰もが発症の可能性を持つ身近な病気です。主な症状を覚えておきましょう。

  1. 記憶障害
    知識だけでなく体験の記憶も抜け落ちてしまうのが特徴。待ち合わせをした時間や場所を忘れてしまう、というのが一般的な物忘れですが、アルツハイマーの場合は、待ち合わせをしたという体験そのものを忘れてしまいます。
  2. 判断力低下
    お料理をするときに調味料を入れ忘れるのは、物忘れ。アルツハイマーの場合は、どんな食材を使うのか、調理の手順はどうだったかまで分からなくなってしまいます。また、日付や時間の意味が分からなくなったり、自分の今いる場所がどこなのか、どこに変えるべきなのか分からなくなって迷子になったりします。
  3. BPSD(行動・心理症状)
    やる気が起きない、関心がわかないといった無為・無関心だけでなく、妄想や徘徊が起きたり、興奮状態が続いて暴言・暴力をふるうようになったり、ひどいときはうつ状態になることも。

励ます手

一般的に、アルツハイマー型認知症の治療は非常に難しいと言われています。病状の進行には個人差がありますが、ゆっくりと、しかし確実に進行し、治る見込みはほとんどないというのが現実。発症の原因とされるタンパク質「アミロイドβ」や「タウ」についての研究は進んでいるものの、根本的な治療薬はまだ開発されていません。

 

そんな中、今、ある成分とアルツハイマー型認知症との関連が非常に注目されています。
リン脂質の一種、「プラズマローゲン」という成分です。

九州大学を中心とした研究チームが、プラズマローゲンを使ってアルツハイマー型認知症に関する臨床試験を行い、成果をあげたというのです。これはもしかしたら、とんでもない大発見になるかもしれません。

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